大学生になるきみへ―知的空間入門/中山茂

大学生になるきみへ―知的空間入門 (岩波ジュニア新書 (452))

大学生になるきみへ―知的空間入門 (岩波ジュニア新書 (452))

面白かった。
大学は、与えられた問題を解く場ではなく、自ら問いを発してそれを追求する場である、そうだ。
単位を取るためには、試験やレポートなどで与えられた問題に対して解答を考えるけれど、それは学んだことが身についているかの確認であって、試験の問題を解くことが大学での学問の目的ではないと、自分は思っている。
卒業するために大学に来ているという人も多いかもしれないけれど。
入試問題のような解くべき問題はどこにもなくて、自分が興味を持った題材についての問いを解決することがメインだと思っていて、その問いを発することに関して少しでも影響があれば良いなと思って読んだ。


たしかに面白かったのだけれど、ここが特に、という印象があまり残っていない。
一番印象に残っているのが、和算について書かれている章なのだけれど、お話として面白かったのであり、果たして自ら問いを発することに資する部分だろうかというと、あまりそのようには思えない。
この本の目的と、自分の読む目的とが食い違ってしまったのだと思う。
いくつかある問いによって、誰かと議論することを誘発させることが一番の目的のように感じる。


高校生の時か、大学に入学してすぐの頃に読めばきっと違った感想を持ったと思う。
まさに、大学新入生に勧める本、だろうか。