儚い羊たちの祝宴/米澤穂信

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

バベルの会関連の短編集。
米澤流暗黒ミステリの真骨頂、らしい。
玉野五十鈴の誉れはStory Sellerで読んでしまっていたので、それを除くと、山荘秘聞が一番好きだったかな。
完全に叙述トリックというか、筆者の思惑にまんまと乗ってしまった。
身内に不幸がありましては、真相が明らかになった時に悲しくなった。けど、結果的には、床を同にして同じ夢を見ていたのかな。
北の館の殺人は、最終局面で明らかになる、早太郎からあまりへのメッセージが良かった。

早太郎様があまりに平気に話すので、かえってわたしが恥ずかしくなりました。
米澤穂信儚い羊たちの祝宴」p.76)

なんとなく、この一文が面白かった。
儚い羊たちの晩餐は、アミルスタン羊が衝撃的だったな。
厨娘の背負う業というのがどういうものか想像できなかったけれど、そういうことか、と。
そして最上級のアミルスタン羊は、最初は名士の子女のことかと思っていたけれど、成人前後、というところなのかな。


やっぱりこういう設定のお話は好きだな。
設定から本を探す方法はあるのかな。