となり町戦争/三崎亜記

となり町戦争 (集英社文庫)

となり町戦争 (集英社文庫)

町政としての戦争。ただ大規模に殺しあうわけではない戦争。日常の延長線上にある戦争。
テレビで流れる映像や、小中学校で学ぶような戦争の悲劇。そういうもので作られた戦争というものに対するステレオタイプな印象。それだけを持って戦争というものに対して何かしらの選択を行うのは危険だと、戦争が日常と一続きになっていると、そういうことが言いたかったんじゃないかな、と思う。
特別面白いというわけでもなかったけれど、まぁ、普通に面白かった。
結局主人公は直接的には戦争に参加するわけではないのに、すぐ近くまで迫ってきていたことが何度もあったと後になって分かる、というところが良かった。
ただ、筆者の気持ちなのかもしれないけれど、登場人物がいきなり語りだしたと感じる場面が何度もあって、それがちょっと気になった。