半島を出よ/村上龍

半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)

半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)

半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)

半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)

睡眠時間も入れてほぼ24時間、ひたすらに読み続けていた。
村上龍はたぶん始めてなのだけれど、伏線というか、ある登場人物が特定の印象を与えた後、もう出てこない、ということがいくつかあったような気がして、ちょっとすっきりしなかった。
とはいえ、読み始めてから読み終わるまでほとんど手を離せないほど引き込まれていたし、とても面白かったのだけれど。
どこまで現場の実際に近づいているのかは分からないけれど、最優先事項を決められない、嫌なものから出来るだけ目をそらそうとする、ただ通り過ぎるのを待つ、みたいな判断が、日本を回しているような人たちからも抜けないということは、仕方のないような気もする反面、そのままでは本当に衰退の一途を辿ることになるんだろうなぁと、複雑な心境。
決して、仕事ができないわけではないのだろうけれど、でもやっぱり決断ができないというのは重大な欠点かもしれない。
それは特定の誰かだけが持っているものじゃなくて、基本的に誰もが持っているような気がして、そういうのを民族性というのだろうか、とか。