夢の話

夢に見た。
夢にまで見た夢、なんて。
もしかしたら自分の気持ちは違うんじゃないかと思い始めていたし、失敗だったんじゃないかって考え直したりもしていた。
でも、何も違わなかった、何も間違っていなかったんだと思える。
間違っていたと思いたいのは、失敗だったと思いたいのは、ただ失っていくことを惜しんでいるだけなんだ。
違う選択をしていれば、こんな風に夢を見る度に後悔していたのだろうと容易に想像がつく。
それだけ、自分の気持ちの方向は定まっていて、今もあまり変わっていない。
自分の気持ちの向きはあまり分からなくとも、向いていない方向はある程度分かる。
そこではない、確かに。確かさ。
居心地の良さを確かに感じているのに、どこで間違ってしまっているのだろう。
秤が、正常な秤が、正常だと思える秤が、ない。
はかりかたを間違えている気がしてならない。