傘を忘れてた

久しぶりに身体を動かす。運動に、呼吸が追いつかなくなる。
全身を使っているうちに、それまで考えていたことなど、頭の中から消えていく。
それが、気持ちいい。心地良い。
どれだけ悩んでいたとしても、どれだけ気になっていたとしても、その間だけは、何も考えないですむ。
逃避なのかもしれないけれど、四六時中何かに追われているなんて想像できないし、きっと精神にもよくない、そう思ってる。


図式。完全列。複体。
簡単だから演習問題にするという言い回しは怖い。
実際にただ書き下す程度の場合もあれば、ひとひねりを除けば簡単ではあるけれど、経験がなければそのひねりを簡単には思いつけないようなものもある。
deRham理論のお勉強。
時間と空間があれば、ゼミをしなくてもそれなりに自分で読めることが分かった。
どういった風の吹きまわしか、今はすごくやる気がある。
いろんなものを勉強したい。
圏論も、群論も、ガロア理論も。
一度やっていることでも、すっかり忘れているものも多いから、その復習も。
時間は限られていて、きっとやる気も限られていて。
それでも、なんとか楽しくやっている、と思う。


雨。久しぶりに雨が降っていた。お昼までではあったけれど。
雨が塗る空の色、鳴らす雨音、洗う空気。
雨上がりの空気のにおいがとても好きで、雨が降っているのを聞いているのも眺めているのも好きで、もしかすると、晴れの日よりも雨の日の方が好きなのかもしれない。
雨の降るのを眺めながら、一日ぼうっとしていたいな。
傘を持っていったのに、図書室の入り口前に挿したまま、忘れたままで帰ってきてしまった。


明日はバイト。週一になってしまって、懐的にも、それ以外でも、なんとなくさみしく感じる。
ほんとに少しだけの機会。
進むのが良いのか引くのが良いのか、まだ決めかねている。
ほんとは、引きたくなんてなくて、自分の都合の良いようにすべてを解釈して行動したい。
別に行動できないわけでもないのに、まだ起こるかも分からない何かのために、二の足を踏み続けている。
何もないわけじゃない。ある。
でも、ただそれだけのこと。