エキゾチックな球面/野口廣

エキゾチックな球面 (ちくま学芸文庫)

エキゾチックな球面 (ちくま学芸文庫)

これは、かなり面白かった。
トポロジーの研究とはどんなものか、それについて述べられている。
エキゾチックな球面について詳しくかいてあるというわけではなくて、研究の一端として触れられているだけ。
次の「トポロジーの世界」の続編らしく、エキゾチックな球面はもともとは副題であったのかもしれない。


この本を読んで良かったのは、ファイバーバンドルの具体的なイメージが少し分かった気がしたことだと思う。
長方形がファイバーバンドルなんて、言われてみれば当たり前なのだけれど、バンドルのいかめしい定義を見ただけでは、自分には思いつかなかった。
エッセンスを取りだすために、定義が難しくなることがあるけれど、起源となる具体的な対象は分かりやすいことも多くて、自明であろうと少しでも多くの具体例をしっているのは、大切なのだなぁと感じる。
だからこそ、数学書を読むときは自分で具体例を作れという話になるのだろうけれど。


トポロジーって何?って思ってる人にはちょうどいい本かもしれない。