幾何入門/砂田利一 第6章、第7章、現代数学への展望

第6章、座標とベクトル。
座標とベクトルの概念の導入。


第7章、公理系とモデル。
公理系の独立性・無矛盾性・範疇性を確かめるためのモデルの概念の導入。
有限射影平面ユークリッド平面、非ユークリッド幾何学における具体的なモデルを考える。
そこから連続公理と平行線の公理がそれぞれ独立であることが導かれる。
ユークリッド幾何学発見の歴史。


代数学への展望。
距離の概念の導入。
具体的な距離(ユークリッド数空間・ハミングの距離・p進距離、他)の例示。


6章は事実として知っていることばかりだったので、今までの中で一番早く読めた章かもしれない。
7章のモデルは初めて知った。ちゃんと定義や結果を確認しながら読むことをしていないので、たぶん全く身についていないけれど、とりあえず今はそれでも良い、モデルがある。
代数学への展望での距離の話は、ハミングの距離のところが面白かった。
情報の雑音まで含んだ符号化、複合化に距離が絡む、面白そうだと思った。



証明や計算をほとんど追わずに読み進めていったのだけれど、それでもそれなりに時間がかかった。
読み終わってみて、まぁ読んで良かったかな、という印象。
公理を用いる幾何学がどのようなものか、少しはイメージができるようになったんじゃないだろうか。



以下用語
原点 origin
座標系 coordinate system
極座標 polar coordinates
ベクトル vector
ベクトル場 vector field
反転 inversion


距離 distance,metric
距離空間 metric space
2進符号 binary code
アルキメデス的距離 non-Archimedean distance


幾何入門 (現代数学への入門)

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