NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか〜天才数学者の光と影〜/春日真人

昨日家に帰ってから一気に読みきってしまった。


ポアンカレ予想と、ポアンカレ予想を解明し、フィールズ賞の受賞を拒否したペレルマンについてのおはなし。
終始わくわくしながら読み進められて、あっという間に終わりまで行ってしまった。
番組自体が放送されたのは07年だけど、自分はその時見てなくて、情報としては少し古いのだけれど、自分にとっては新しい発見の連続だった。


フィールズ賞は数学のノーベル賞と言われることもある賞で、数学を研究してる人の多くにとって憧れのようなものだと思う。
本文はまずその受賞を拒否したペレルマンがどんな人物なのか、それを知るべく彼の周囲の人に聞き込みをしていくところから始まる。
少しはわかったような気がしたところで、彼の取り組んだポアンカレ予想とは何なのだろうというところへ話が切り替わる。
ポアンカレ予想とはなんなのか、またそこで使われる数学、トポロジーとはどんなものなのかについての説明から始まり、ポアンカレ予想に取り組み失敗していく数学者たちの話になる。
そこに真っ向からポアンカレ予想に挑戦するだけではだめだと思った数学者が一つのアイデアを出し予想を立てる。
ここでペレルマンが登場し、その予想に関するいくつかの証明を成功させることで、結果的にポアンカレ予想が証明された。
ポアンカレ予想に関する話がここで終わり、最後に、かつてペレルマンを教えていた(?)教師が周囲との接触を絶ってしまっていたペレルマン接触しようと試みる話で終わる。


ペレルマンや他の数学者がどんな行動をしていたか、その一部が垣間見えたところも面白かったし、ポアンカレ予想が直接示されたのだと思っていた自分にとって、ペレルマンポアンカレ予想を直接示したのではないという事実はとても衝撃的だった。


トポロジーの感じとか、ポアンカレ予想ってなんなのとか、そんなことを思ってる人に簡単に説明をしようとするとこんな感じになるのだろうか。


数学書を読んでいてもあまりわくわくすることはなくて、解説してある本を読むのはとても楽しいと感じる。
ただ読むだけでわくわくしながら読める親切な数学書は少なくて、でも内容としては面白いものを含んでいるのなら、読み方があるんだろうなあという気になる。
いつかはわくわくしながら読めるようになるのだろうか。


ペレルマンの論文を読んでみようかなと思った。
ただでさえ数学の論文なんて読んだこともないのに、ペレルマンの論文は難解らしくて、正直無謀で意味のないことに終わる気はするけれど、でも自分の中に意味ができるような気もする。
とりあえず挑戦、今は試験期間中だから、今すぐは厳しいけれど・・・。