夢を見ていた


騒がしい夢


高々十分程眠っていただけなのに
軽い疲労
シーツは半分以上めくれあがっている


覚めてゆく頭の中に
残るものは少なくて



誰かを探していた
探して駆けていた
夢の中で眠っていて
気づくとどこにもいなくて
眠りにつく前はいたのかもわからなかったけれど
とにかく走った
あっちでもない
こっちでもない
人はたくさんいるのに
きっとその中に埋もれているはずなのに
見つからなかった
目を覚ました
まだ探さなければいけないと
見つけなければいけないと
そんな気はしたのだけれど
同時に
もう眠り直しても続きが見れないことを
悟った



焦燥感と
心臓の締め付けが
消えない



あれは誰だったのだろう
かつて大切にしていた人のような気がすれば
大切にしたかった人のような気もするし
そう思っているのに自分がまだ気づいてなかった人だったのかもしれない
そもそも
人ではなくものだったかもしれない
とにかく
見つけたかった
捕まえたかった
何も出来ないまま覚めたことがとても残念だった