領域

目に見えるものだけに反応する日々
見えないところで起こっていることの方が大きいのに
まるでなにも起こっていないかのように過ぎる


普通に暮らすということが
それ自体が幸せなのに
それに満足することは一時としてなく
つくづく強欲な存在であると感じる


よりよいものを求め続ける習性は
自分と
高々自分の目の届く範囲の親しい人のことのみを考え
その領域にあぶれたものの存在には全く気が回らず
自分のために平気で他者を犠牲にすることになる
そしてそのことにすら気付かない


目の前のことに感動すれば
目の前のことに涙すれば
本当にそれだけで良いのだろうか