夏と花火と私の死体/乙一

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

小野不由美の解説を読んで、乙一のどこが好きなのかの言語化が得られた気がする。
異常の中の日常、おかしいものであるはずなのに、普段と変わらない言葉が出てくるから、その無表情さというか、無関心さにすごく魅力を感じているのだと思う。


もっときついのを知っているからか、少し物足りないような感じがした。
表題作は、少し伏線がわざとらし過ぎるように思えたし、優子は狂気が物足りない。
それでも、相変わらずの無気味さのようなものが感じられて、その部分はやっぱり好きだ。