空中庭園/角田光代

空中庭園 (文春文庫)

空中庭園 (文春文庫)

一つの家族を、一人一人の視点から描いた話。
家族の中では隠し事はなしにしようというルールの裏で、皆が秘密を持っていて、家族と居る時には、そんなものは存在していないかのように振舞う。
隠してることなんて、他の人には些細に見えるかもしれなくても、当人にしてみればどうしようもなく重いもので、だからこそ、誰にも言えないのかもしれない。
想いがすれ違ったり、食い違ったり、どれほど良い関係であったものもほんの少しのきっかけで崩れ去ってしまうし、気持ちがその通りに伝わることも少ない。
人と人との付き合い方は、これだと言える答えなんて存在しないんじゃないかなと改めて思う。


闇の神社と光の教会、ほんとに存在するのなら、行ってみたい。