醜い言い訳

今から言い訳します。


ゼミの二週目が十数時間後に迫っている。
これまで、数学の問題の答えをぐぐったりすることに、それは違うだろうと感じていた。
嫌悪していた。忌避していた。


数時間前に、発表の回ってくる問題の解答を検索して、見つけてしまった。


気休めのつもりだった。
三日間(たったの!)くらい考えて、ほぼ手つかずの状態の問題があった。
寝ないで考えるつもりだったけれど、全く何も思いつかなかった。
少し休憩と思って、本のタイトルと著者名、それと問題番号で検索をかけて、三つ四つくらい、たぶんもっと、眺めてみた。
どれも中身検索だったり、関係のないものだったりしたのに、一つだけ、あるはずのない解答が、そこにあった。
向こうの大学の講義の宿題として出された問題について、解答をつけてpdfで上げている人がいた。それも、1章だけ。
そのpdfファイルを開いてしまった。


なんてことをしてしまったのだろう、と思いながら、この目はしっかりと内容を確認していた。
結局、ちょっとやりたくないと思っていた量の計算を実際にやってみなければならなかった。
その末にたどりつく方法と同じ方法の、略解のようなものがそこに書いてあった。


研究して食べていく能力がないと言っておきながら、それでも数学に対して多少のプライドを持っていたつもりなのに、たった5分かそこらで、それが全て崩れ去ってしまったような気分になった。
きっと眠れば忘れるのだろう。でも、起こってしまったことは取り消せない。
こんな気持ちを抱えたまま、これから1年、3年、やっていけるのだろうか。
偏った完璧主義は、いつも自分の身を、心を滅ぼす。
少しでなく、辛い。惨めだ。