スカイクロラ/森博嗣

スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ (中公文庫)

面白いのとは少し違うかもしれない、だけれど面白い。


夢を見ているような浮遊感のある話。
実は先に映画の後半をぼんやり見ていたので、話の流れは多少知っていた。
読みながらのイメージは、全て映画のシーンから。
少しもったいないことをしたかもしれない。
が、映画という予備知識がありながらも、なんというか、つかみどころが分からない感じ。


戦闘のシーンで専門用語が次々と出てきて、何がどうなってるのやらあんまりイメージができなかった。
なんとなく、距離感。


珍しく、主人公の僕に「僕」を投影できなかった。
僕の右手がうずいていても、「僕」の右手は微動だにしないし、身体も反応しない。
きっと、なりたい僕ではなかったから。


書いてみると、ここが面白いというところがないなぁと思うのだけれど、それでも続きが気になる、ページをめくる手が止まらなくなる話だった、不思議だ。