理想の投影

なぜ本を読むのだろう、なぜ物語を読むのだろう。
時間なんていくらあっても足りなくて、楽しめるものは限りなくたくさんあって。
その中で、なぜ文章を選択するのだろう。


それは、理想がそこにあるから。
漠然と抱いていて、実現はしそうにもないのに捨てられない像。
その理想が実現されているから。


実現しないと知りながら、あるいは実現しないと知っているからこそ、その描写を楽しむ。
理想の充足を、楽しんでいるのかもしれない。