THE ALCHEMIST/PAULO COELHO

初ペーパーバック、読了。
room_42さんが言及してたのを見て思わず読みたくなり読み始めた。
分からない単語が結構あったから流し読み。
流し読みでも十分面白かった。


面白かったのは面白かったのだけれど、良い意味でも悪い意味でも、英語で読んだことが自分にとっては感想に大きな影響を与えたと思う。
英語で読んだという行為自体に喜びを感じていたのかもしれない。
また、英語で読んだことで深く読み込めていないから、この物語の本当の良さを分かっていないのかもしれない。
良くも悪くもありきたりな、次の展開がわかるような、よくある物語。
ただ、お話としてはよくあるものだと思ったのだけれど、深く読めていないながらも、物語から感じる著者の思想か、あるいはこの話を通じて伝えたかったものか、それはとても考えさせられるものであった


全てをかなぐり捨て、PersonalLegend(それぞれの役割、があてはまるだろうか)を追い求めれば、世界がそれを助けるように作用してくれる。
全てのことは一つの手によって記されている。


神の存在を信じること、ひいては宗教の思想というのはこういうものであるのか。
抗うことのできない運命が存在し、それを受け入れることを厭わない。
むしろ積極的に受け入れる、そうすることを当然と考える。
信仰心というのはほとんどが後天的なものでなく先天的なものではないのかと思う。


そこにどうしようもなく死しか存在しない時、死にたくないのならば神を信じるしかないのだろう。
その類の救いを求めるから信仰というものが存在するのだと思っていたのだけれど、どうもそれだけではないようだ。
そもそもどうしようもない瞬間を迎えないようにする、いつ迎えても良いように毎日を生きる。
それは信仰心の有無に限らず当然のことなのだとようやく分かった。
自分の視野はあまりにも狭い。
視野を簡単に広げることはできないのだから、異なる視野を持つ人の思想を何らかの方法でできるだけたくさん知らなければならない。
やはり文章を読むのが一番簡単な方法なのだと思う。
最後の一瞬まで、自分という存在、価値観は確定したものとなることはないのだろう。