夏目漱石彼岸過迄
図書館で本を探している時に、ふと目がとまった。
今までに、どこかで少し読んだことがあって、いつか全部読もうと思った記憶が思い出された。
迷わず手に取り借りたまま、しばらくが過ぎた。
今日ふと机の上のその本に気付き、その記憶がいつのものであるかを確かめようと思った。
自分が覚えているということは、おそらく二年よりも昔のことでなく、そうすると受験に纏わる問題として読んだのだろうと思った。
センターの赤本には載っていなかった。
大学の赤本にも載ってはいなかった。
Z会の問題にもそれらしいものはなく、講習のテキストにもない。
少し諦めて、ネットで検索をかけたらすぐに見つかった。
今年のセンター試験に出題されていた。
冊子を引っ張り出してきて、読んでみる。
その当時どうして読みたいと思ったのかは思い出せなかったけれど、懐かしい気持ちになった。
懐かしかった。
受験が終わってもうすぐ半年になる。
この半年で何か成長したのだろうか。
何かができるようになったのだろうか。
力を抜く事しかしてこなかった気もしないでもない。
何の為に大学に来たんだっけ。
合間に受験勉強をする遊びのさらに合間に何度も考えたこと。
何の為に受験をするのか、その大学に行きたいのか。
結局答えは見つけられないまま、実際にこの大学に来てしまっている。
覚悟は、きっと出来ていない。
また忘れてしまった気持ちがある。
忘れてしまった記憶がたくさんある。
何をしたいのか、何をするのか。
もう一度考えよう。
納得がいくまで何度でも考えよう。
他の人は生きられない、自分だけの人生であるのだから。