傾物語/西尾維新

傾物語 (講談社BOX)

傾物語 (講談社BOX)

誰か一人が存在してはいけないという世界は、どうしても認めたくないものだけれど、過去を変える術を持たない以上運命なんてものを変えることも当然のようにできず、起こってしまったことは全て必然とみなすしかない。
それでもやはり、どこかには今この現在と違う結果となった世界というのもあって欲しいなぁと思うわけで。
自分の中である特定の誰かが、自分の認識しうる範囲で今よりも救われる世界を、その一人一人に対して想像するような、そんな妄想しかできない。
はたして、何もかもうまくいったとき、幸せになりえるのかなぁとか、そんなことばかり考えてしまう。
偽物語あたりを読んでる時あたりから思っていたけれど、あららぎ君と誰かのかけあいは、真宵とのかけあいが一番面白いな。どこが、と具体的に指摘することはできないのだけれど。ただ、なんとなく。